M&Aはリソースを取得するということ。これが起点であり最も重要なこと。
決して、形式・手続き的な結果である株式を取得するとか、事業を譲受ということという理解だけではいけません。
リソースを考えず、「取得したら業界売上No.1」的な考えのM&Aは尽く失敗に終わっています。
買収先の企業の売上、利益も勿論大事です。
しかし、買収先企業のもっているリソース、例えば人材、ノウハウ、スキル、取引先などのリソースを自社とのシナジー或いは自社の新規事業にどう活かすか?これが最も重要であり、買い手様の力が試されるM&Aの醍醐味だと思うのです。
弊社が扱ったリソース重視の案件には、
買収先の売上や利益はどうでもよい、人材と技術が欲しいという理由で成約したもの、或いは、同様に買収先の売上や利益はどうでもよい、ノウハウが欲しいということで成約したものなどがあります。
M&Aは
M&Aを人材確保の視点(中小企業は人材確保難)
優良取引先確保の視点(優良企業との新規口座の開設は至難の技)
ノウハウ・技術確保の視点(時間を買う)
などのリソースの視点でみましょう。
結果的に、買収先の売上、利益まであるならラッキー。買収先の売上、利益ありきではないと思います。
M&Aで事業、企業、店舗を譲渡する場合の条件は、譲渡価格だけではありません。
M&Aで譲渡される事業・企業の従業員をどうするのか?これは、譲渡価格以上に重要な問題ですし、質問されることも多い問題です。
M&Aは”交渉”で全てを決めると思ってください。
つまり、譲渡する条件に、価格のだけでなく、従業員の全員を継続して雇用することという条件を譲渡条件に付加するば良いのです。
弊社で扱うM&Aもその殆どは、このような継続雇用の条件が付加されます。
また、キーパーソンがいる場合などは、
買い手企業より、M&A後も継続勤務をしてくれる人材が条件として指定する場合もあります。
M&Aは、人材確保としても有効な有段です。
これは、同業種の事業・企業を買収した場合は勿論のこと、いままで外注していた情報システム部門などを社内に新設する場合などの人材確保にも有効です。
例えば、今やWebを含め情報システムをツールとして活用していない会社はないと思います。
事業・企業の成長にともない、情報システムも肥大化していきます。それに伴い既存のパッケージシステムなどの導入を検討するのが一般的ですが、既存のパッケージシステムを、自社に合ったものにするために、カスタマイズが必要になり、コストも結局割高になり、機動性に欠けるなどの問題が発生する場合も少なくありません。
そこに、できることなら、自社にシステム部門を持ちたいというニーズが当然のことながら発生してきます。
ところが、情報システムの会社でない会社に優秀な情報システムの人材を雇用することには、非常に苦労します。
そこで、考えられるのがM&A。
上記の例では、情報システムの会社を買収すれば、自社のシステムを開発できる部隊を一瞬にして保有することが可能になります。
買収相手の売上(プロイットセンター)の獲得という視点ではなく、バックオフィスの人材の採用としてのM&Aも十分に検討に余地があるのです。