M&Aにおいて、見切り・損切りは一級の戦略である場合があります。
例えば、業種は何でも良いのですが、店舗を急拡大(或いは堅調に拡大)してきたとします。
ところが、コントロールできない外部環境の変化によって、赤字店舗が増えてきたとします。
選択は4つ。
①外部環境の変化を打ち消す対策をとる。
②外部環境が好転するまで耐える。
③①と②の合わせ技
④見切り・損切り
外部環境の好転を待つ体力があるなら、①乃至③を選択することは良いと思います。
しかし、その体力がないにもかかわらず、最後に取られるのが④。
これが問題なのです。
店舗の拡大と全く同様に、店舗の縮小、売却も立派な戦略であるにもかかわらずです。
④の判断が遅れた場合、全体に負の連鎖に覆われ、再起不能(或いは相当に再起まで時間がかかる)状態になりかねません。
④をいち早く判断できた場合は、黒字店舗だけで再起を計ることが可能になります。減収にはなりますが、利益は確保できる状態で食い止めることが可能です。
機が来たら、また前回同様拡大すればいいだけのことです。
④をM&Aによる売却で行った場合は、従業員の雇用も確保されます。
絶対に、世間体やサンクコストの呪縛で判断を遅らせてはいけません。
拡大も縮小も同じ舞台の立派な堂々とした戦略ということを忘れずに!