M&Aで事業・企業を売却する場合、その時に会社にある現金・預金はどうなるでしょうか?
こちらもよくある質問です。
現金・預金の扱いは、M&Aのスキームによって異なります。
事業譲渡の場合:
事業譲渡は、事業を切り出して売却することをいいます。通常は、事業に必要な有機一体とした資産・当該事業の運営に必要な資産(人員を含む)のみを譲渡します。従って売り手・買い手が別途合意した場合を除き、通常は現金の移動はありません。買い手は、事業を取得後の運転資金を別途用意する必要があります。
株式譲渡の場合:
株式譲渡の場合は、株主の単なる変更ですので、会社に付帯している資産・負債(簿外も含む)には何らの変化も起こりません。M&Aで退任する旧社長への退職金の支払い、或いは、旧社長が会社に貸し付けていた金銭を返済する以外に、旧社長へ会社の現金を移す会計的ロジックが存在しませんので、 M&A時に会社にある現金はそのまま会社に残ることになります。
株式譲渡は、株主が変わるだけです。