企業の再生を図る手法としては、民事再生法や会社更生法などの手続による法的整理、あるいは私的整理の手続をとるなどが考えられます。
それらの手続の開始前に、事前に再生をサポートするスポンサーや事業譲渡先、そのスキームを決定たうえで手続を進めることを「プレパッケージ型」と呼びます。
このプレパッケージ型(のM&A)は、再生企業そして、スポンサー企業の両方にとって大きなメリットがあります。
再生企業のメリット:
整理の手続等に入ると、周囲に与えるマイナスイメージは事業に更なるダメージを与えます。販売先や仕入先、従業員などのへの悪影響が生じ、再生へ向けたの事業基盤が大きく損なわれる可能性があります。
。プレパッケージ型で事前にスポンサーの存在が再建計画に織り込まれていれば、債権者の合意を得られやすく、事業価値の劣化・毀損を最小限に食い止めることができます。
スポンサーのメリット:
時間を買うという通常のM&Aのメリットに加えて、再生会社の事業、財務の透明性が高い、引き継ぐ負債がないか、整理前と比べると極端にすくないというメリットがあります。更に、取引先や仕入れ先、従業員の再生へ向けたモチベーションと同じ事を繰り返さないという良い意味での危機感が組織の中に芽生えます。
M&Aをその重要な経営戦略と位置づけている会社の場合、むしろ、私的にしろ、法的にしろこのプレパッケージ型のM&Aを好む会社もあります。
弊社でも現在、プレパッケージ型のM&A(加えて事業承継としてのM&Aを加わっています。)、そして、民事再生申立後のスポンサー探しのM&A案件の2つが動いています。
プレパッケージ型の事業再生(M&A)。是非その存在と活用の可能性と意義を知っていただけたらと思います。そして、是非お気軽にご相談ください。弁護士の先生からのご相談もお待ちしております。
M&Aにおいて、見切り・損切りは一級の戦略である場合があります。
例えば、業種は何でも良いのですが、店舗を急拡大(或いは堅調に拡大)してきたとします。
ところが、コントロールできない外部環境の変化によって、赤字店舗が増えてきたとします。
選択は4つ。
①外部環境の変化を打ち消す対策をとる。
②外部環境が好転するまで耐える。
③①と②の合わせ技
④見切り・損切り
外部環境の好転を待つ体力があるなら、①乃至③を選択することは良いと思います。
しかし、その体力がないにもかかわらず、最後に取られるのが④。
これが問題なのです。
店舗の拡大と全く同様に、店舗の縮小、売却も立派な戦略であるにもかかわらずです。
④の判断が遅れた場合、全体に負の連鎖に覆われ、再起不能(或いは相当に再起まで時間がかかる)状態になりかねません。
④をいち早く判断できた場合は、黒字店舗だけで再起を計ることが可能になります。減収にはなりますが、利益は確保できる状態で食い止めることが可能です。
機が来たら、また前回同様拡大すればいいだけのことです。
④をM&Aによる売却で行った場合は、従業員の雇用も確保されます。
絶対に、世間体やサンクコストの呪縛で判断を遅らせてはいけません。
拡大も縮小も同じ舞台の立派な堂々とした戦略ということを忘れずに!
M&Aで事業、企業、店舗を譲渡する場合の条件は、譲渡価格だけではありません。
M&Aで譲渡される事業・企業の従業員をどうするのか?これは、譲渡価格以上に重要な問題ですし、質問されることも多い問題です。
M&Aは”交渉”で全てを決めると思ってください。
つまり、譲渡する条件に、価格のだけでなく、従業員の全員を継続して雇用することという条件を譲渡条件に付加するば良いのです。
弊社で扱うM&Aもその殆どは、このような継続雇用の条件が付加されます。
また、キーパーソンがいる場合などは、
買い手企業より、M&A後も継続勤務をしてくれる人材が条件として指定する場合もあります。