株式交換・株式移転の会計の留意点

[株式交換(取得)の会計処]

完全親会社が取得する完全子会社の株式はパーチェス法(時価)で処理します。以下(木俣貴光「企業買収の実務プロセス」 中央経済社)の例では、完全親会社(A社)の株主が株式交換後に完全親会社の株式を75%保有するためA社が取得企業に該当します。この場合、完全親会社(A社)は個別財務諸表上では完全子会社の株式を時価で受け入れ、連結財務諸表上は投資と資本の消去により消去差額が生じる場合はのれんを計上します。なお、完全子会社(B社)は個別財務諸表上、特段の会計処理は生じません。

 

 

 

 

[共同株式移転]

完全親会社が取得する取得企業となる完全子会社株式の取得価額は適正な帳簿価額による純資産とし、被取得企業となる完全子会社株式の取得価額は時価とします。以下(木俣貴光「企業買収の実務プロセス」 中央経済社)の例では、完全子会社(A社)の株主が株式移転後に完全親会社の株式を80%保有するため、A社が取得企業となります。この場合、完全親会社は個別財務諸表上ではA社株式の取得価格を簿価純資産、B社株式の取得価額を時価とします。連結財務諸表上は、A社については投資と資本の消去により消去差額は生じませんが、B社については消去差額が生じ、B社株式の取得価額とB社の時価純資産額の差額がのれんとなります。
連結財務諸表上の純資産の部は、取得企業の純資産の部をそのまま引き継ぎますが、資本金は、完全親会社の資本金とします。そのため、取得企業の資本金が完全親会社の資本金と異なる場合は、不足分は資本金、超過分は資本剰余金に振り替えて調整します。

 

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